五倫文庫
五倫文庫
財団法人五倫文庫のご案内
五倫文庫とは
日本に学制がしかれて以来(明治5年、1872年)初等教育「小学校、戦後は中学校を含む」で使われた教科書を集めた文庫です。あなたが習った懐かしい教科書を見つけることが、きっとできるでしょう。五倫文庫は更にさかのぼって、寺子屋で使われた江戸時代の本や、世界各国の各年代にわたる初等教育の図書も、広く集めています。
文庫は、明治25年(1892年)、当時御宿小学校の校長をしておられた伊藤鬼一郎先生が、毎年使用される教科書を保存し比較研究されようとしたのがその始まりです。先生は初等教育が次の時代を背負ってゆく少年少女に如何に重要であるかを早くから認識されていました。
特に世界が平和の中に共存してゆくには、天使のような清い心の幼い時に正しい教育をすることが不可欠なのだということを第一次世界大戦(1914年~1918年)の後に痛感され、そのために、日本だけでなく世界の初等教科書を集めて比較研究し、このことを広く世界に呼びかけてゆこうと考えられたのでした。第二次世界大戦(1939年~1945年)がその後勃発し、太平洋戦争で日本が悲惨な体験をしたことを想い起こすと、先生の考えは極めて先見性に富んだものであったかがお分かりになることでしょう。
五倫文庫名称の由来
明治35年(1902年)9月に房総を直撃した台風で、御宿小学校は倉庫一つを残し全校舎倒壊の悲運にあいました。日露戦争の最中で国の援助に期待すべもなく、また当時わずか850戸の寒村だった御宿村は、村の財政では到底校舎を再建することができませんでした。教室がなくなった村の子供たちは、お寺に分散してとりあえず授業を始めましたが、校舎再建の見通しはとてもたつどころではありませんでした。
時の小学校長伊藤鬼一郎先生は、村長式田啓次郎氏と共に、各戸毎日五厘(一銭の半分)の日掛け貯金を自分達の子供のためにしてゆこうと説いて廻り、明治41年(1908年)5月から全村民賛成のもとに実行されました。そして明治45年(1912年)から大正3年(1914年)7月までは各戸2倍の一銭とし、実に9年間に亘り一戸の脱落者もなく成し遂げられたのです。
たまたま御宿町を訪問された佐倉連隊区司令官黒田善治少将はこの話を聞かれ感服し、「五厘」は「五倫の五常の五倫」に通ずるとして「五倫黌」と名付け、扁額を贈られたのです。以来、御宿小学校は五倫黌御宿小学校とよばれるようになりました。当文庫もこれにちなんで名付けられたわけです。
御宿町が文教の街として、その名を千葉県のみならず全国的に知られているのも、私たち祖先の尊い汗の賜があったからです。
財団法人五倫文庫のこれからの活動
- 内外の初等教育教科書を収集し、内外有識者の研究の資料と場所を提供し、正しい初等教育のあり方を研究し、それが世界人類の平和と繁栄をもたらすことを期待します。
- 将来は青少年並びに幼児教育のための図書も併せ集め広く一般者の利用も図りたい。
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- 当文庫は、高い理想の実現のため活動資金を募っています。あなたのご協力がこの活動を一段と活発にすることでしょう。是非ご協力ください。
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五倫文庫に収蔵されている教科書
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担当課:教育課